認知症の場合の訪問歯科
認知症の場合の訪問歯科
認知症の患者を持つ家族にとって、訪問歯科は大変頼りになる医療サービスです。歯の健康は全身の健康にもつながるもので、認知機能に問題があるからといって疎かにできるものではありません。何よりも歯が健康でないと、上手に食事をすることが出来なくなります。それが認知症をさらに悪化させ、介護の度合いも高まってしまう恐れがあります。
認知機能に問題がある患者は一般の歯科クリニックに通うのが困難な側面があります。歯科医とのコミュニケーションがとれなければ、適切な治療を受けることができません。専門の歯科クリニックは極めて稀なので、訪問歯科に頼るしかありません。訪問歯科であれば家族が常に同席できるので、医師とのコミュニケーションを図りながら、適切な治療を受けることが可能になります。何よりも患者の負担が軽減されるので、歯科治療に対する抵抗も軽減できます。このような症状の患者の歯科治療も健康保険などの対象になり、家族の負担も少なくなるわけです。
訪問歯科で認知症の患者さんの治療を行う注意点
訪問歯科で認知症の患者さんの治療を行うときには、注意点も存在しています。
まず、認知症の患者さんは、その日の気分によって大きく感情が変わってくるのでうまく対応しないといけません。ニコニコしている日であれば治療を行うことはできますが、機嫌が悪い時には口を開けて欲しいとお願いしても言うことを聞いてもらえない可能性が高いです。こうなってしまった時には、うまくなだめて言うことを聞いてもらえるように工夫してみましょう。
また、訪問歯科での治療をおこなった時に、どんな治療内容だったのか説明する必要も出てきます。口腔内の状況の説明は必須になっていますが、患者さんに細かく説明したとしても理解してもらうことは難しくなっているでしょう。この場合、患者さんではなく家族に詳しく話を行う必要があります。一緒に生活している家族に、どんな治療を行ったのか、また今後の治療方針について話を行えば納得してもらうことができるでしょう。